ソーシャルレンディングへの投資によるサテライトの資産運用

⾦融庁は、ソーシャルレンディングへの投資に対する注意を3⽉27⽇に呼びかけました。⾦融庁ホームページに掲載されている、ソーシャルレンディングに投資する際の注意すべきポイントは以下の4つです。

  • ソーシャルレンディングの仲介者は第⼆種⾦融商品取引業の登録を受ける必要があります。登録を受けていない業者の募集等は、詐欺的な商法である可能性が⾼いため、⼀切関わらないようにしてください。

  • 登録業者であっても、⾦融庁や財務局が、その業者の信⽤⼒等を保証するものではありません。業者の情報をできる限り確認し、その業者の信⽤⼒を慎重に⾒極めるとともに、取引内容を⼗分に理解したうえで、投資を⾏うかどうかの判断をすることが重要です。
  • ソーシャルレンディングへの投資にあたっては、投資者への情報開⽰が⼗分に図られているかどうか、また、貸付先の返済遅延やデフォルトなどのリスクがあることを⼗分に認識した上で、適切な投資判断をお願いします。
  • ⾼い利回りなど限られた情報のみで投資判断を⾏うことなく、業者が提供する様々な情報を確認してください。利回りだけを強調し、リスクに関する情報が明⽰されていない業者との取引は注意が必要です。

ぽっかくんは、サテライトの資産運用の1つとして、ソーシャルレンディンクを約2年前から利用していますが、いままでに大きなトラブルに巻き込まれたことはありませんでした。最近、ソーシャルレンディング業者による不祥事・行政処分の話題が気にはなっていましたが、⾦融庁がソーシャルレンディンクへの投資に対する注意喚起をするまでの事態になっていたとは、ちょっと驚きでした。

ソーシャルレンディングの概要

ソーシャルレンディングとは、資⾦の借⼿(新規・成⻑企業等)と投資家(資⾦提供者)をインターネット経由で結び付け、多数の投資家から少額ずつ集めた資⾦を借⼿に融資する仕組みをいいます。2005年にイギリスで誕⽣したサービスで、⽇本では2008年にmaneoが国内初のサービスを開始しています。

類似のサービスに、組織、個人、プロジェクト等が、不特定多数の支援者・投資家から、インターネット上で資金を集める仕組みであるクラウドファンディングがあります。クラウドファンディングには4つのタイプがあり、ソーシャルレンディングは融資型クラウドファンディングに位置付けられます。

  • 購入型クラウドファンディング:あるプロジェクトに、支援者が資金を出資をする仕組みであり、出資の対価として、商品、グッズ、サービス等を受け取ります。
  • 寄付型クラウドファンディング:被災地の支援など社会貢献性の強いプロジェクトに、支援者が資金を寄付する仕組みであり、お礼として手紙や写真を受け取れる場合があります。
  • 融資型クラウドファンディング:クラウドファンディング市場の大半はこのタイプです。個人から集めた資金を融資するという性質を有しているため、利回りの分配という形で金銭的リターンを得ることができます。
  • 株式投資型クラウドファンディング:最近、日本で注目されはじめている企業の資金調達方法の1つであり、未公開株を提供する代わりに、投資家が資金を出資をする仕組みです。

ソーシャルレンディングのメリット・デメリット

メリットデメリット
利回りが高い:ソーシャルレンディングの利回りは4~15%と、サービスによって違いはありますが、定期預金、国債等の金融商品と比較して、かなり高いです。融資先の貸し倒れによる元本割れのリスクがある:ソーシャルレンディングで最も懸念されるリスクは、融資先の貸し倒れです。そのため、ソーシャルレンディング業者の多くは、融資先と担保・保証に関する契約を締結しています。
安定した利益が得られる:融資先の貸し倒れが発生しない限り、投資元本は減少しないので、ソーシャルレンディングの投資パフォーマンスは安定しています。運用期間中の中途解約は不可:⼀度、ソーシャルレンディングへの投資をはじめると運⽤期間が終了するまで、投資元本を引き出すことができません。
予備知識、運用の手間が不要である:⼀度、ソーシャルレンディングへの投資をはじめると運⽤期間が終了するまで、特にすることがありません。そのため、ソーシャルレンディングは、投資初心者と経験者でパフォーマンスにほとんど差がない投資方法です。早期償還、延滞が発生する可能性がある:融資先の返済が遅れたら、運⽤期間が⻑くなり、逆に返済が早まれば、運⽤期間が短くなります。
少額、短期での運用が可能:最低1万円からソーシャルレンディングへの投資は可能です。また、運用期間が3カ月~1年程度に設定されているサービスもあるので、短期での運用も可能です。ソーシャルレンディング業者の倒産リスクがある:ソーシャルレンディング自体が新しい仕組みであるため、そのサービスを取り扱うソーシャルレンディング業者も比較的規模が小さく、歴史の浅い企業が多いです。