⾦融庁によるソーシャルレンディンクへの投資に対する注意喚起のポイントの1つが、投資家への情報開⽰です。現時点では、ソーシャルレンディングへの投資における資⾦の借⼿に関する具体的な情報は、ソーシャルレンディング業者から投資家に開示されず、匿名化されています。この匿名化が行われるのは、投資家の貸金業法への抵触を回避するためといわれています。
ソーシャルレンディング業者の多くは、投資家から資金を集める「第二種金融商品取引業」と、集めた資金を第三者に貸し付け、金利収入を得る「貸金業」の2つの側面があるため、このような対策が実施されてきましたが、投資家にとっては、投資した借⼿に関する合理的・客観的な判断ができない状況でした。しかし、金融庁は、ソーシャルレンディングへの投資家に対する情報開示の拡充を図るため、資⾦の借⼿の情報開示が可能となる貸金業法に関する解釈を公表しましたので、一気にソーシャルレンディングにおける情報開示は進むのではと思います。
ソーシャルレンディング自体が新しい仕組みであり、そのサービスを取り扱うソーシャルレンディング業者も比較的規模が小さく、歴史の浅い企業が多いです。そのため、サテライトの資産運用の1つとして、ソーシャルレンディングを利用するにあたっては、何らかの企業としての安定的な要素があるソーシャルレンディング業者を探しました。
オーナーズブック OwnersBook
オーナーズブックは、2012年4月に設立され、2017年9月にマザーズに上場したロードスターキャピタルが全体を運営し、その子会社であるロードスターファンディングが提供するソーシャルレンディングサービスです。ロードスターキャピタルは、不動産の運用・仲介・コンサルティング等を行っている総合不動産会社なので、不動産のプロが厳選した案件に投資が可能であり、すべての投資案件に不動産担保が設定されています。
各投資案件の年間利回りは4.0~7.0%の範囲内であり、ほとんどの案件は5.0%前後です。また、運用期間は4~30カ月程度で、短期から中期の投資案件が多いです。1万円から投資が可能であり、口座開設・維持手数料、投資案件の取引手数料は無料です。しかし、入金手数料は投資家負担であり、出金手数料として300円+消費税・地方消費税が必要です。
クラウドクレジット CROWD CREDIT
クラウドクレジットは、日本と比較して、銀行の貸出余力が低く、資金需要が大きい、北米・南米、アフリカ、欧州にある新興国の資金需要者に、日本の余剰資金をローン投資という形で融資するソーシャルレンディングサービスです。クラウドクレジットには、伊藤忠商事、第一生命保険、三菱UFJキャピタル、マネックスベンチャーズ、SBIインベストメント、SONYフィナンシャルベンチャーズ 等の大企業・大企業の子会社が出資している安心感があります。
各投資案件の年間利回りは6.0~12.9%の範囲内であり、10.0%を超える高利回りの案件が多く、運用期間は7~37カ月程度です。1万円から投資が可能であり、口座開設・維持手数料、投資案件の取引手数料は無料です。しかし、入金手数料は投資家負担であり、出金手数料は月1回まで無料、2回目以降は1回あたり756円(税込)が必要です。
SBIソーシャルレンディング SBI Social Lending
インターネット総合金融グループであるSBIグループのソーシャルレンディング業者であるSBIソーシャルレンディングは、2008年10月に日本ではじめてソーシャルレンディングサービスを提供したmaneoに次いで、2011年3月にサービス提供を開始しました。SBIソーシャルレンディングの主な投資案件は、月2回募集があるSBISL不動産担保ローン事業者ファンドと、SBISLメガソーラーブリッジローンファンド、SBISL不動産バイヤーズローンファンド等の随時募集されるオーダーメード型ローンファンドです。
各投資案件の年間利回りは3.0~10.0%の範囲内であり、随時募集のオーダーメード型ローンファンドには7.0%前後の案件が多いです。また、運用期間は1~34カ月程度ですが、短期から長期まで様々な投資案件があります。1万円から投資が可能であり、口座開設・維持手数料、投資案件の取引手数料は無料です。なお、入金手数料は投資家負担でしたが、住信SBI銀行から無料で入金できるクイック入金サービスが2019年2月から開始されました。出金手数料はもともと無料です。
資産運用に利用するのはSBIソーシャルレンディング
資産運用に住信SBIネット銀行・SBI証券を利用している、ぽっかくんのSBIグループへの信頼は絶対的であったため、比較検討した3つのソーシャルレンディング業者から、ぽっかくんがサテライトの資産運用に利用する業者として、SBIソーシャルレンディングを選びました。