第2番札所「紀三井山 金剛宝寺護国院(紀三井寺)」

御詠歌「ふるさとを はるばるここにきみいでら はなのみやこも ちかくなるらん」

第1番札所の那智山からは、札所間最大の長い道のりです。野を行き、山を越え、里を過ぎて、はるばるここ紀三井寺の観音様ご宝前にたどりついてみると、まだ遠いはずの京の都が近くに感じられる。巡礼の修業こそが、花開く心の浄土への近道であることを示すように。

春は早咲の桜の名所として、和歌の浦の絶景を望む境内には、踵を接する善男善女の数えるにいとまなく、観音信仰の隆昌に伴い、宝前には日夜香煙の絶え間がありません。木造立像では日本最大となる大千手十一面観音像が、平成20年(2008年)に開眼されて、注目を集めています。
出典:西国三十三所札所会ホームページ

宗派救世観音宗総本山
開基為光上人
御本尊十一面観世音菩薩
創建宝亀元年(770年)
散華
住所〒641-0012 和歌山県和歌山市紀三井寺1201

札所データ

紀三井寺は、今から約1,250年前の宝亀元年(770年)に、唐僧の為光上人によって開基された霊刹です。 伝教の志篤い為光上人は、身の危険を省みず渡来され、全国行脚の途中たまたま逗留された紀三井山で、金色燦然と輝く千手観音の姿を感得になりました。仏縁に感謝し、一刀三礼の下に刻まれた十一面観音を本尊として開創されました。

境内には、本堂を中心に、楼門、多宝塔、鐘楼といった室町、桃山時代建立の国指定重要文化財の古建築が並び、和歌の浦の絶景を見晴す景勝地として、年間大勢の参詣者が訪れます。特に、にぎわいを見せるのは春で、早咲きの桜の名所(日本桜の名所百選の1つ)として有名です。境内には気象台の観測用標本木があり、近畿、本州に春の到来を告げる寺として、早春の風物詩となっています。

紀三井寺という寺名は、紀州にある三つの霊井のある寺という意味で、境内には今もつきることなく清浄水・楊柳水・吉祥水の三井水〔昭和60年(1985年)、環境庁が「日本名水百選」選定〕が湧き出しています。
平成14年(2002年)に、現代人の心の灯台となる仏殿が本堂真南に建立され、平成20年(2008年)には、この仏殿に木造の立像としては日本最大となる総漆金箔張大千手十一面観音像が入仏開眼されました。